もう一度小鳥と

 お気に入りの文鳥サイトがいくつかある。鳥も一羽一羽、特徴があって、顔の区別がつくものだ。囀り方も微妙に違うし、表情も変わる。
 人に育てられた鳥は、人の顔色を伺う。要求するし、拗ねたりするし、愛想を振りまいたりする。

 鳥の最高中枢は視床だという。飛ぶために最大に発達したのは、バランスを保つ小脳だ。それでも、文鳥は最大でも20g程度の身体で、頭は本当に小さい。あんなに小さいのに、人の声の調子で呼ばれていることに気づき、巣から顔を覗かせたりする。スズメの仲間なので、本来は群れを作る生き物だ。そういう意味では、人に育てられた鳥は人も群れの一員で、声は囀りと似た作用をしているのかも知れない。

 ペットショップに行くと、ついつい鳥かごの前に来てしまう。静岡産、と書いてあるが、最近は台湾からの輸入が多いらしい。弥富の文鳥が欲しいな、と思うが、弥冨産は中々見当たらない。仕事を休めないのでさし餌は出来ない。今はタイミングじゃないのかな、と思いながら、時々『里親募集』のホームページを見たりする。
 学生の頃は、春休みとか利用してさし餌が出来たが、文鳥育てたいから休みください、なんて言えるわけもない。

 もし叶うなら、本棚が天井まであって、文鳥をたくさん飼える家に住みたい。
 どうしても人よりも短い命、失えば泣く事は分かっているのだけど、それでも。