ふと思い出して

 ロシアは、かつて行ってみたい国の一つだった。

 かじり読みだが、「女帝エカテリーナ」という漫画がある。池田理代子さんの壮麗な画で、内容は細かく覚えていないのだが、ロシアという国に興味を持った。そしてその頃、まだパルナスがあった。

 キラキラした都、美味しそうなお菓子、そして当時何故かうちではピロシキが定番おやつだった。作るのは簡単ではなかったと思うが。

 きっと素晴らしい国に違いない!と妄想を膨らませていたが、ちょっと成長してくると世界情勢が分かってくる。ロシアという国はもうなくて、今はソビエトという国だよと、子供の私は一瞬で妄想を叩き潰されて、ロシアないのかあ…と残念に思ったのだ。そしてパルナスもいつしか店じまいしてしまった。キャンプファイアーとかで歌うと盛り上がったのになあ。パルナスの歌…。

 そしてソ連がロシアに体制が変わっても、現実はちょっと小さくなったソ連で、昔のロシアではなかった。

 

 特定年齢層にしか分かりにくい話で恐縮である。(パルナス)

 

 嘘も100回言えば真実になる、はナチスゲッペルスの言葉と言われているが、100回嘘を聞くにも時間がかかる。

 その間に真実を検討する時間もあるはずだが、追い込まれるとその余裕はない。

 そして日本の幕末のように、現実を次々と突きつけられて対応を迫られると、それを検討する余裕がない。

 私は、人は変化を好まない生き物だと思っている。

 嘘を100回聞くと言うことは、それが変わらない物と誤認するからではないだろうか。

 

 100回聞いた嘘を一つの真実に改めるのにどれほど時間がかかるのだろう。

 

 世間に変わっていかないものなど何一つない。

 あらゆる理論には反証可能性があると学んだことがある。

 何事も疑ってかかる。これが進歩への第一段階なのだ。

 

 とは言え、流されたい人もいるわな…。

 早く戦火が収まって欲しい。