神経心理学・認知神経科学

ご飯が美味しくできない、と曰う

我が家の高齢者。そもそも、料理はそんなに上手な人ではなかった、なんて聞かれたらきっとぶち回されそうな気がするが、私は食事なんて食べられればいいと思っているので、料理が下手かどうかは余り気にしたことがない。なんなら卵焼きは絶品で、家族親戚誰…

ふと思い出して

ロシアは、かつて行ってみたい国の一つだった。 かじり読みだが、「女帝エカテリーナ」という漫画がある。池田理代子さんの壮麗な画で、内容は細かく覚えていないのだが、ロシアという国に興味を持った。そしてその頃、まだパルナスがあった。 キラキラした…

作話と取り繕い

何方も認知症の症状である。 作話の方は全く根拠のない話をするので見抜きやすい(と私は思っている)が、取り繕いの方はうまいこと話を合わされると騙されそうになる。と書くと人聞きが悪いが、本当に上手い人もいる。自身では本当だと信じているので信憑性…

公認心理師国家試験:受験への道

一昨年の10月頃、ぼんやりと調べていた情報で、どうやらG区分で受けられそうな気がしたので、少しずつ準備を進めていた。 このコロナ禍で現任者講習会も完全オンラインとなり、開催地に出向かなくてよく、いつでも好きな時間に受けられたこともあり、順調に…

不機嫌なベッド:コミュニケーション能力と問題解決能力

今日、多くの病院、施設ではFIMと言う日常生活能力評価チャートが使われている。海外版は版を重ねているようだが、著作権の関係で日本で使われているのはver.3となっている。 そのFIMの項目では、コミュニケーションと問題解決は別の能力として評価される。 …

心理と行動:食事が大切

兎角今の時代、挫折を通して地道に前を目指すというドラマやアニメがあっても、実はチート要素を持っている主人公ばかりなので、多少努力要素はあっても、みんな楽して得したいんだろうなと感じる。別にそれが悪いことではない。私もそうだから笑。 劣等感が…

歪んだ関係

介護は楽ではない。 それまでの家族間関係性、被介護者の性格、介護者の職業や親戚関係、家屋環境…助言できる人間が近くにいればいいが、壮絶ケースでは、そういう人が近くにおらず、沼に嵌っていくこともある。 リハビリにおいても同様で、認知症のあるなし…

マイバッグ

会計で、「マイバッグをお持ちですか?マイルが付きますよ」と言われ、持ってますよと応じ、支払いをカードで済ませてから、自分で商品を袋に入れた。 帰ってから買ってきたものを片付け、レシートを見ると、支払いがやけに少ない。レジの打ち忘れのようだ。…

ネコ

こんな記事を見つけた。 ネコが自分の名前を認識している https://www.sankei.com/life/news/190404/lif1904040036-n1.html という話。 犬が人間の9歳程度の認知機能を有していると言う話は聞いたことがあるが、ネコの反応は余り聞いたことがない。 他の動物…

日々の回復

ニュースで堀ちえみさんの日々の回復を見るにつけ、ああ良かったなと思う。 あんなに病気になって、お母さんで、いや、表現しにくいけど、とにかく生き残ったのだ。 術後の回復を日々感じるという記述はがん闘病ブログでは時々見かけるし、私も期待して手術…

言葉の数

『聞く作法』という本を読んだ。(渡邉美和子著 幻冬社刊 1200円)人の話が聞けているかな、と感じたからだ。 というのは、どうも、テレビを見ても面白くない。バラエティとか、ドラマとか、深夜アニメとか、面白い番組が一杯あったのに、最近は早送りで…

手指感覚

物を操作しようとする時、無意識に手はその形に合わせて大きさや形状を変える。これをプリシェイピングと言う。その過程は意図的でなく、ほぼ無意識的に行われている。視覚でモノを捉えたとき、人は触る以前にその物体から色々な情報を収集する。大きさ、触…

治療理論

認知運動療法研究会の会員専用ページに、鏡についての論文が掲載されている。鏡に映る身体をどう認識するか、という論題と捉えたが、ミラー・セラピーへの批判的な要素も含んでいると思う。 私が療法士になりたての頃、巷ではラマチャンドラン博士のミラー・…

笑うこと

認知過程の解明において、『笑い』は重要な要素と思われる。これについては興味深い先行研究があって、4コマ漫画における笑いという内容の論文を読んだことがある。どうして面白いと感じるのかという“感じ方”について、この論文は1コマ目と4コマ目との落差…

占いと不安

以前、タロットカードに凝ったことがある。二種類ほど持っているが、今は殆ど使っていない。ホロスコープ、手相、トランプ、出来そうな占いは大体手を付けたが、今思うと、不安解消の手段だったような気がする。自分の行動への理由付けが欲しい頃に嵌まった…

風船

さて、注意対象を風船に例えた所で、具体的に問題解決の方法を考えてみたいと思う。 どんな関係でもそうだが、異常に固執して執拗に関わろうとする人というのはどこにでもいる。そういう場面を何とかしたいと思う場合、逃げたい風船=注意の対象をどうしたら…

注意とは

注意の分類は学者によって諸説あるが、大きくは選択性注意と汎性注意に分けられる。車を運転している時に後方も含め、全体に払う注意が汎性注意。信号を見るのが選択性注意、と言う感じだろうか。一つの物に注意が向かないと選択性注意の障害(注意転導)と…

知覚と経験

多重人格障害、という精神疾患がある。一人の人間に人格が二つ以上存在し、記憶、行動、全てが別個で、互いにその存在に気づくことはないというものである。脳梁離断症候で他人の手症候というのがあるが、これは一人の人格下で生ずるので、人格は入れ替わら…