さて、注意対象を風船に例えた所で、具体的に問題解決の方法を考えてみたいと思う。
どんな関係でもそうだが、異常に固執して執拗に関わろうとする人というのはどこにでもいる。そういう場面を何とかしたいと思う場合、逃げたい風船=注意の対象をどうしたらいいだろうか。
①似た風船の中に紛れ込ませる
同じような風船が一杯あれば注意は分散する。
②風船を視界から外す
一時的でもよい。注意の対象とならないところに移動させてしまえばよい。
目立ちたい風船は逆の方法を取ればいい。
①目立つ格好をさせる。ちょっと高い処に登らせると尚よし。
周りと違っているところをアピールすれば目立てる。
②見て欲しい人の前に風船を持っていく
視界に入れば幾許かの関心は持たれる。
どの場合もある程度の心理的な葛藤は生じる。また、物理的に無理、相手によっては無効なこともあると思われる。
では、リハ場面でどう応用するか。
注意障害の場合は全ての五感を遮断できる環境(言語聴覚室のような防音、遮蔽された環境が望ましいが)で対象に集中できるようにする。それで“目立ちたい風船”を実施すればよい。赤ちゃんにガラガラを見せて、関心を引くような感じか。
集中可能になれば、注意対象(風船の数)を増やし、徐々に汎性注意と選択性注意の切り替えを練習していく。
因みに、接客業では初期クレーム対応として『人を変える 場所を変える 時間を変える』というのがある。怒り対象としての風船の振舞い方を如実に現している。
ただ、追いかけてきてまで難癖つけるような人に適用するのは難しいかも知れない。そういう時は、第三者の力を借りよう。