ギザ十

 昭和20年代後半から昭和30年代前半にかけて発行された十円玉の縁にはギザギザがついていた。切手とか、小銭とか、妙に集めたかった子供の頃、ギザ十は珍しいよ、と言われて使わずに今まで持っていた。出回っている数が多いので、古銭としての価値はないらしい。持っていても仕方ないので使うことにしたのだが、自動販売機では跳ねられた。
最近は小銭を枚数出しても余り煩くは言われない。とは言え、十円玉20個使って買い物…そういう機会は少ない。公衆電話も使うことないし…。ところで、公衆電話で使えるのだろうか?

 で、もらったのか何処かで手に入れたのか、ギザ十の山の中に古銭や記念硬貨が混ざっていた。昭和初期の一銭、寛永通宝、つくば万博の五百円玉。内閣制記念の五百円玉。中国のアルミ貨。穴のない五円玉。昭和30年代の稲穂のついた百円玉。珍しいものばかりのような気がするのだが、このご時世、額面どおりの価値しかあるまい。となると、寛永通宝なんて使えない。お宝鑑定番組を見ていると、江戸時代のこの通貨は残存数が多いらしく、ギザ十と同じく余り価値はないらしい。銭形平次寛永通宝だったっけ。岩倉具視五百円札とか、五百円玉に取って変わられた頃は千円札の色と似ていてよく間違った記憶がある。今は五千円と一万円の色をよく間違うので、五千円札が来ると崩してしまう。お財布持たないで買い物できればなぁ、と物臭なものでよく思うのだが、エディはチャージが必要なので面倒。クレジット式はセキュリティが怖い。
 滅多に電車に乗らない私でもイコカは持っている。イコカは残高が分からないのが難点。今幾ら入っているのだろう…名古屋の地下鉄では使えなかった。大阪は使えるのに。使えるところと使えないところがあるのは不便だ。スイカみたいにもっと買い物出来る所が増えればいいのに。出来ればモバイルイコカも作って欲しい。そしたら財布出さずに携帯だけで買い物も出来るし電車も乗れるのに。
これでネットバンキングとか始めちゃったりしたら、お財布持たなくていい日が来ないだろうか。無理かな。

 十円玉、小銭入れに入れておこう。
 いつ使い切るかは分からない。何せ、自動販売機で使えないのだから。