表面は何でもないけれど

  夏が来た。

  夏は毎年汗疹と虫刺されに悩まされるが、今年はそれに加えて困ったものがある。

  抗がん剤後遺症の感覚障害だ。

  皮膚の見た目は何ともない。日焼け止めやクリームもきっちり塗っているので、綺麗なものだが、これが風呂上がりの身体を拭くタイミングで耐えがたいピリピリが全身を駆け巡る。体が冷えて汗がひけば少しずつ収まり、就寝までには忘れるくらいになっている。特に足がひどい。

  薬を飲む前はなかったのだから、間違いなく副作用の名残なので、時間薬で治まるのを待つしかない。

  日中は症状は出ないのが、何ともありがたい限りだ。