弥富の文鳥

 ニュースサイトで、愛知県の高校生が文鳥繁殖をしているという記事を見た。

 私が最後に飼った白文鳥は、弥富産だった。ペットショップで見た時、籠に、産地、愛知県、弥富市と貼ってあった。

 人の顔を見てむしゃぶり付くように籠の中をこちらに向かって走って来たのを見て、キミに決めた(ポケモンか)。

 鳥の一生は短い。養成校に入る前に飼い始め、作業療法士になって数年でこの世から居なくなってしまった。

 もふもふのふわふわの文鳥をもう一度飼いたいなと思うが、この生き物は中々手がかかる。仕事をしながら、なおかつ病気治療をしながらでは難しい。手がかかるからこそ可愛いのだが。

 しかも、今日本にいる文鳥はほとんどが台湾産だと言う。

 弥富の文鳥はもう手に入らないのだろうか、と思っていたら、高校生が繁殖を始めているという。

 日本の文鳥の歴史が途絶えなかったことが、涙が出るほど嬉しかった。

 今では文鳥農家は二軒しかないらしいが、一生の間に一度は弥富に行ってみたい。