系統的脱感作法…?

 認知行動療法、という行動変容法がある。精神・心理系疾患で使われる逸脱行動や不適応行動修正のためのリハビリ法である。スキナー(ハトの人…CP9と違うよ)が先鞭をつけ、現在に至る。認知運動療法とは全くの別物なので、お間違いなく。

 さて、系統的脱感作法の話。
 簡単に言えば、脱感作とは、回避刺激に対して過剰反応状態である人に対して、回避刺激に徐々に慣らし、元に戻していこうという方法であるが、そもそも過剰反応なのだから、使い方を間違えると却って悪くしてしまいかねない。適応には慎重を期さねばならない。
 この場合、回避刺激とは、例えば人混み恐怖であれば、回避刺激は人間である。少ない人出の所からちょっとずつ外出していって、外出時間を延長し、徐々に人に慣らしていく、等と言う方法が考えられる。神経症は症状も人それぞれで、特に恐怖症は、回避刺激に暴露されない限り、何事もなく生活できる。何故それが怖いのか、他人には中々理解して貰えない。自分でも分からないことがあるので、病院に行かずに見過ごしている人もいるのではないかと思われる。

 うちの職場は若いスタッフが多く、仕事中でもペチャクチャとおしゃべりが絶えない。私語なのか、仕事の話なのか区別がつかないのだが、とにかく始終喋っている。静かに仕事せんかい!と、お局様は怒っているのだが、若者は意に介さない。最近は態と喋っているのではないかとさえ思えてきた。被害妄想の域に突入である。まさか、こやつら、系統的脱感作法をやってるつもりじゃ…いくらお喋りしたって、慣れないぞ。んなもん。と言うのは冗談だが、お喋りし過ぎは仕事にならない。そろそろ自覚してくれ、若者達よ。

 動物は葛藤状態に置かれると混乱する、という実験データがあるのだが、人間でもそうだろう。最近、社会学や哲学の本を斜め読みしているのだが、あんまりザラっと読むと、『???』な箇所が出てきて、そこは何度読んでも意味が分からない。斜め読みなのだから仕方がないが、分かりそうで分からないとイライラする。これも多分回避刺激なのだが、イヤでも避けて通れないのが、人間の痛いところか。