診断一年

  いろんな書類に書いた、診断日3月13日がやって来た。

  世間は東日本大震災の追悼で一杯だったあの日、歩けないほどの痛みを抱え、腹腔いっぱいに真っ白に広がる腫瘍のCTを見たときの、ああやっぱりか、という気持ちは忘れられない。

  いろんな経験をしたが、今何とか生きている。

  以前の職場から連絡があり、何とか仕事にも戻れそうな気配でもある。まだわからないけど。

  一年は早かった。過ぎてみればあっという間だった。

  病気以外の、病気に起因する、色々な出来事があった。

  家族の有り難みも身に沁みたし、友人や同僚や恩師の励ましも本当にありがたかった。

  体力の続く限り、がんばって、人の役に立つことが出来ればいいなと思う。

  まだ一年。再発の危険もあるし、何処かでぬくぬくと転移した幹細胞が育っているかも知れなかったりするが、それでも今は、何とか普通に暮らせている。

  あと一歩。