生活のダウンサイジング

  老後の余裕ある暮らしには2000万円貯蓄を、なんて無茶苦茶なことを政府が言い始めたが、背景には年金原資の投資失敗があると言う。15兆円とか、途方もない金額だ。どうやら行政にはまともな金融リテラシーを持っている人材はいないようだ。

  いくら損をしようが、議員さんたちは生活には困らない。自分たちの年金はしっかり確保した上でのマネーゲームだ。完全に国民をコケにしている。

  数年前だが、多くの厚生年金基金が解散に追い込まれた。年金失政の果ての国民への痛みの押し付けだ。ちゃんと運営してくれていたようで、病院厚生年金基金は解散時に僅かながら余剰金を分配してくれた。きちんと運用してくれていたのだから、このまま定年まで持たせてくれれば良かったのになあ、とぼやきながら受け取った。この数ヶ月後に病気で倒れることとはつゆ知らず。このお金が無かったら、倒れた上に職も失い、目も当てられなかっただろう。人生はどう転ぶかわからない。

 

  備えはあっても、無駄遣いは出来ない。必然的に財布の紐は引き締めることになった。

  とは言え、安い加工品ばかり食べていては健康によろしくない。衛生面と、食費は削らず、嗜好品や趣味を絞った。元々そんなに無駄遣いはないので、光熱費は変わらない。外食は、食べられないこともありしなくなった。お付き合いが減った分出費はかなり絞れた。

  退職後、住民税と国民年金の請求がきた。特に住民税は纏めて支払わなければならなかったので負担になった。新たに払わなければならなくなった医療費も、病前より増えている。飲み続けなくてはならない薬、検査費用。数ヶ月生活してみて、贅沢をしなければなんとかなるくらいまで絞った。

  が、ここに来て日用品や食料品が次々と値上げになり、気がつくと出費が増えている。これではいくら絞っても焼け石に水だ。

  

  で、冒頭の政府の2000万円発言である。

  色々失敗しといて責任放棄かよ、と言いたい。

  プチインフレで消費税を上げて吸い上げた金はあんた達の失政の穴埋めか。冗談じゃない。

  そしてどの層に向けて言っているんだろう。20代か、30代か?あと40、50年後、今と通貨の価値が同じなわけがない。

  無責任にも程がある。

 

追記

  麻生さんは年金をもらっているかどうか知らない、そうだ。

  79歳で現役、蓄財もあるだろうし、ああいう雲の上の方々が、一般庶民の生活に思いを致すことなんてないだろう。自分のお財布の中身を秘書に任せているなんて、キャッシュレス決済以上だ。自民党はそういう人たちの集まりなんだろう。

  別に野党支持でもないが、このまま高級な皆様が政治をしていたら、庶民の生活はどんどん締め付けられていくんだろう。何せ締め付けた後を想像できないのだから。