エンディングノート

 術後すぐは、痛みと体力低下で、いつも死を意識していたような気がするが、元気になると現金なもので、今晩のおかずが一番の悩みだったりする。

 そもそも命の危険を感じてる人間が研修会の予定なんて組んだりしないので、心も元気でまあいいのだが。

 病後すぐ勢いで書いたエンディングノートは、書きながらぽろぽろ涙を流していたことを思い出すが、終活というのは、すぐ死ぬかもと思っている時にやるものではないようで、気持ちがどんどん落ち込んでいく。

 葬儀の生前契約をしておこうかと説明会を聞きに行ったら、その日からどーんと落ち込んでしまって復活するのに大概月日を要した話も聞くので、余程元気な時でないと変な効果が出るようだ。

 見学とは言え、自分の葬式に出されるかもしれないお膳を食べて帰って来るって言うのもなんだかね。

 

 一年に一回は、エンディングノートを見返して、明日死ぬなら何がしたいか、あと10年命があるならどう生きていくか、考えることにしている。

 明日のことはわからない、のはもうわかっている。

 別に大きなことがしたいわけでもないが、悔いのないように。 

 

 と言っても、色々後悔しそうな気がするが。