帰る家

今週のお題「わたしの実家」

 

 子供の頃暮らした家は諸事情あって人手に渡ってしまっている。

 思えばその町よりも今住んでいる所の方が長い暮らしになっている。思い入れと言えば今の家の方が自分で手を入れて来たこともあり深いが(DIYしたわけではないが)子供の頃の思い出というのはどうも忘れ難いもののようで、時々Google mapで、小学生の頃の通学路を辿って見たりする。

 何事も初体験の幼少の頃とでは、体験の新鮮さが全く異なる今は、これを覚えておかないと、という義務感で記憶しているような気がする。子供の頃の記憶は鮮やかに思い出せる。

「シャワーヘッドの色は黒だった」はずなのだが、家族は誰も覚えていない。今は白なのだが、今の記憶に引っ張られているのだろう。写真とっとけば良かったなと思うが、風呂場の写真なんていくら新築でも残さないよな…。

 

 小さな古い町なので、様相はあまり変わっていないようだが、いかんせん人手に渡ってしまっているので訪れることはできない。

 帰れる故郷がある人が羨ましいなと、年を経て更に思いは深くなるようである。