求められること

 術後満4年がやってくる。

 5年を越えれば大腸がんの再発率は1%未満だと言う。

 しかし、切って時間が経てば大丈夫と言う訳でもない。

 私の本体よりも先にあの世に行った臓器達は、決して再生する事はない。体力も機能も元の物ではないのに、自分の主体が保たれているので、何かが欠けた気がしないのが一番の違和感だろう。

 心が元気なので、身体がついて来ない事に納得がいかないのだ。

 ちゃんと正社員の仕事に戻らないとと思い、ハローワークのコーディネーターさんにも相談してみたが、活動を始めると体力の限界に直面する。

 普通に動けている気がするのは気のせいなのか?

 同じように感じている人がいないかどうか検索してみるが、意外と似たケースは見当たらない。

 術後数ヶ月で復帰しました、転職に成功しました、みたいな成功体験は幾つか出てくるが、余り参考にならない。

 …多分、努力出来ない言い訳が欲しいだけなんだろうな、とも思うが、だからと言って突っ走ったところで倒れるのは目に見えている。

 そもそも普通などなく、病状にも個人差があるのだから、体験談など参考になるまい。

 周囲にもっと働けと言われているわけでもなく、経済的に現状の稼ぎでも問題はない。納得はしていないが。

 ああ、働きに対する報酬が見合ってないと思ってる訳か…。

 そうなると今のままではやっぱり良くない事になる。ただ、仕事はお金だけの問題でもない。

 さて、どうしようか。

 来年も同じようなことを書いていそうで怖いが、体調もよる年波との追いかけっこだ。ここらで本当はどうしたいのか、本気で考えた方が良いのかも知れない。