サプリメントと西洋医学

 厚生労働省総合医療情報のホームページ、ejim には、サプリメントやハーブの情報が載っている。主に米国の研究を邦訳して読めるようにしているものだ。

 私は職業上、西洋医学を推進する立場から、所謂代替医療を主として利用することには否定的なのだが、サプリメントはちょこちょこ利用している。特にビタミン類は病院で出さなくなって久しいので、ドラッグストア製品によくお世話になっている。大概の品物に書いてあるのだが、サプリメントは疾病の治癒を大幅に促進するものではないし、大量に摂っても意味がない。ビタミンですら大量に摂れば支障があるし、ミネラルも多ければ過剰症が出るので、医師のアドバイスは必要だと思う。

 主治医に尋ねたことがあるが、「僕から勧めるのは難しいのでね」と微笑まれた。そりゃそうです。

 

 私も幾つかはサプリメントを飲んでいるが、効いた!と実感したもの、これはお金捨てたなーと苦笑いするものなど様々だ。一応論文など検索してこれは、と思う物を用いてはいるが、考えたら普段口に入れる食べ物にだってこのくらいの警戒心は必要だろう。ちょっと食べたおやつの添加物を見て、あ、これ買う時気にしてなかった…とぞわっとする。

 

 病院に行っても「なんともないよ」と言われることもある小さな不調が気にな時に、サプリが効いてしまうことがある。プラシーボ効果かも知れないが、こういうちょっとした積み重ねが代替依存に繋がったりするのだろう。

 

「どこも悪くないと言われたんですよ」患者さんから時々聞く言葉である。人の主観は誤っていないことは多いと思うが、ノンバーバルサインは見逃されがちだ。

 枕元にん万円はしそうなサプリの瓶を持っている人を笑うことは出来ないなあ…と思いながら、まだ学ぶことはあると感じる今日である。