麻薬の功罪

 痛み止めとしてのopioidの効果は、体験したことのある身としては、大手術で有れば、なくてはならないものだと思う。研修会でも、末期がんや手術の時に適応となる例を学んだが、私の場合、術後に離脱したのは退院時だったと思うので、術前からだと約三か月かかっている。

 術後、硬膜外に入れたチューブで、30分おきに自分でスイッチを押して注入するタイプの痛み止めは、そもそも効いているのかどうかわからない。ずっと痛いからだ。薬があるからこの程度なのだろうと歯を食いしばっていたが、あれで歯がちびた気がする。

 術前に錠剤のopioidも使っていたが、かなり強い薬だったようで、薬剤師さんに驚かれた。だって手術まで1ヶ月以上、痛すぎて無理だったし…。あれがなければ痛みで失神していただろう。実際、眠っている間は余り痛みは感じなかったので、眠れないのも辛かった。思えば、opioidと睡眠薬の同時使用で、これ大丈夫かと不安感を持った覚えがある。

 退院時にも痛み止めと睡眠薬は貰ったが、痛み止めはロキソプロフェンで、睡眠薬は飲みきりだった。家に帰るとリラックスしたのか、痛み止めも長期間は使わなかったと思う。

 精神状態は大事だ。

 

 スマニューで麻薬依存した元お医者さんのニュースを読んだが、ストレスから解放されなければ依存からは抜けられないのだろう。痛みは止まるが、思考はまとまらないし頭もぼんやりするし、良いものではない。出来れば今後はお世話になりたくない薬である。