リハゴールの決め方

  リハ職種なら実習中にリハゴールの決め方は習っていると思うが、これがなかなか難しいらしい。

(苦労したことも忘れているこの道15年…ちょっと遠い目)

  ICFに準拠したリハゴールの決め方について少し。

  細かい用語は説明しないので、分からない方は調べるか、読み飛ばして頂きたい。

  ICFは異なる職種の共通言語として機能しうる。ICFの前はICIDHというマイナス面の評価がメインの評価基準があったのだが、ICFはプラス面も評価する。これはリハには大事なことで、残存機能をどう活かしていくかという手段の創出に繋がる。

  職種によってアプローチするポイントは異なるが、私はOTなのでOT的な解釈になるのはお許し頂きたい。

  さて、ICFに沿って評価を行なった後、目標設定を行なうが、これはセラピスト単独で決めてはいけない。あくまで対象者本人、家族、在宅チームも含めた目標設定を行わなければならない。とは言っても、急性期から回復期病棟入院までの間には、在宅チームが決まっていない場合もあるので、病院リハチームと本人、家族とで目標設定を行なう。リハゴールは、短期、中期、長期に分ける。予後予測がしにくい場合もあるが、実現可能と思われるレベルでの目標を考える。この場合、本人、家族のdesire(希望)、demand(要望)をよく聴取する。ただ、本人や家族が、とても到達できないと思われる高い希望や要望を持っていることもあり、ゴール設定は一筋縄ではいかない。ゴールが決まらないからとリハをしないわけにはいかない。短期ゴールは専門職だけで話し合われることも多々ある。

  ニーズはこれ、と焦点化出来ても、隠されたニーズが存在することもある。

  例えば、患者本人が、車の運転をしたいという希望があり、それを表出しない場合、リハチームはそれに気づかない。できる能力があったとしても、アプローチせずに終わってしまうということがあり得る。また、車の運転が不可能と判断されても、本人がそれに従わず乗ってしまったらどうなるのか。希望が表出されない場合、運転に思いが至らない場合もある。

  ゴール設定は、本人や家族が納得する形で慎重にされなければならないことがお分かり頂けるだろうか。隠されたニーズに気づけることが非常に大切なのである。