ムズムズ脚症候群

  という症状があるのは、ガン罹患前から知っていたが、不勉強にも精神症状だと思っていた。というのも、よく似た症状で、蟻走感、というものがある。蟻が這っているような感覚を皮膚に感じるというもので、これとの鑑別がつきにくいのではと思っている。一方、ムズムズ脚の方は、鉄欠乏性貧血が原因になることがあるようで、一概に精神症状とも言えないようだ。この場合、鉄剤摂取などで改善する可能性があると聞く。

  但し、ガンに血液が食われたり、出血が起きている場合の他に、胃液が少なく鉄をうまく吸収できない場合や、肝臓を切除した場合など、貧血の原因がガン以外や、術後にも継続する場合もある。抗がん剤をやっていると、副作用の感覚障害との区別もつきにくいのではないだろうか。

  実際、私の場合も術後は貧血状態が継続している。胃は取ってないのだが、胃薬を飲んでいるので胃液は少ないかも知れない。幸いにも貧血症状は全身のムズムズ感以外にない。皮膚に変化があるわけでもないので、精神的と言われても仕方がない。抗がん剤もやめてからそろそろ一年になる。末梢神経障害は長期継続することがあるので、一年で全快するわけではないし、場合によっては一生継続する可能性もある。鉄剤摂取以外につける薬もないが、鉄剤を飲むと胃に堪えて食事量が減ってしまうので、他の栄養が足りなくなる。

  貧血は問題だが、肝臓については順調に大きさが戻っており、肝臓関連の血液数値も改善しているので、トータルで言えば底上げ出来ていると思っていいのではないだろうか。主治医は渋いお顔をなさっているが、治らないものは仕方ない。ここは開き直りも大切だ。それよりも、貧血が継続していることで再発が心配だ。何しろガンは新生血管まで作って血液を食う。何が原因の貧血なのか、調べ切れていないのが懸念である。

 

  肝心の症状の方は、日中は気が紛れて忘れているレベルである。時々とんでもないところが急に痒くなったりするのがネックだが、夜間もそう気にならない。そういえば、服が擦れてピリピリ、湯上りに足がピリピリするのもずいぶん減った。やはり抗がん剤の副作用の後遺症と混合している部分はあるのかも知れない。対処療法だが、ニベアなどのボディクリームやハンドクリームなどで保湿するだけでも随分感じ方は違う。夏場でも全身の保湿をお忘れなく。