病と年齢と挑戦

 部屋とワイシャツと私みたいになってるが、まあ笑。

 

 終末期の患者さんと接する機会が多いせいか、ややバーンアウト気味な今日この頃である。

 私程度の年齢になると、新たな挑戦というのは少々二の足を踏む。その上癌罹患という足かせもある。

 この職に就くときに、恩師に「この就職先が最後だと思って勤めるように」と言われたが、社会人入学者のデメリットをよく理解した上での発言だったのだろう。歳を取ってからの転職はリスクが大きい。一から人間関係を築いていくのも中々に大変だと思う。

 職場の同僚と話すと、臨床の方が面白いよね、となる。教職にある恩師も、臨床に戻りたいと呟いていることもあった。

 ただ、臨床ではやり尽くした感もある。その職場の特徴なのだろうが、今そこにいるお医者さんが診れる患者さんが来るので、自ずとやることは決まってくる。

 だからといって勉強することがないわけではない。しかし私の記憶容量程度で出来ることは決まっているし、歳を食えばパフォーマンスも下がる。但し、ルーチンワーク化した仕事は当たり前のように出来るというメリットがあるのが年寄りだ。(同年代の方には失礼だが)

  そのメリットを活かせるのは、今の職場だから、と言うのは否めない。のに、チャレンジ精神がむくむくと頭をもたげて来る。

 似たような疾患を診るなら今の職場でいい。患者さんはどこでも同じだ。違う疾患なら大きい病院の方がいいが、技術力は上を要求されるだろう。教職はやってみたいが、体力が持つだろうか。

 …何より、癌罹患者を使ってくれるのかと言う話だが。

 病気になったことによって収入は減り、殆ど以前と同じ仕事をしていても、パート採用なので収入は大幅に少ない。自分の興味よりは本当はこちらを優先しなければならないのだろうが、かつて収入が多くても激務というブラック系にいたことがあるので、精神的に無理な仕事は給料が多くても続かないことは知っている。

 今から違う環境に行って心と身体が続くのか。

 多分、そういう迷いのせいで足下を見られているのだろう。自信があれば、他に行けばいいのだから。