不機嫌なベッド:それは病気なのか?

 新患は、主治医が前医からの情報を見て、入院リハビリに適応できるかどうかを判断する。基本出た処方には全て応じなければならないが、始めてからこれはリハビリでなんとかなるのか?と思うケースもたまにある。

 ある病気で入って来た方は、リハを始めた時にはその疾患の症状はほとんどなかった。処方時は病後の廃用症候群、と言う形になったが、その実はダイエットだった。

 数ヶ月の入院中に10kg痩せてスッキリして退院。めでたしめでたしである。

 体重が重い方が病気や怪我をすると体力が落ちるので体を支えられなくなる。結果、膝折れを起こす。動揺する、腰が痛い、動けない。ほとんどが運動して痩せてスッキリめでたしばかりだが、リハビリじゃないよなあ…と疑問を感じてしまう。主治医も苦笑するケースである。痩せて動けるようになって本人は満足しているので、まあいいか、お大事にとなる。

 普通病気で寝込むと痩せそうなものなのに、全く痩せずにリハ病院に来られる方、数年に一人はいらっしゃる。

 体重管理は健康の第一歩だなとこのケースに当たるたびに思う。