リハビリでアロマを使う人がいて、OT学会でも時々研究を見かける。
私は本格的にはやっていないが、家では時々使っている。ラベンダーの香りが好きだが、ふと、抗ウイルス性のあるアロマがないか調べてみた。
◯感染症初期症状に対するアロマテラピー(精油)によるセルフケアの具体的方法.宮森孝子.日本統合医療学会誌.第13巻第2号.2020.
コロナ禍が始まってから書かれた物なのだが、主にインフルエンザにおける経験則に沿って書かれているので、本当に効果があるかどうかは分からない。
コロナ感染では嗅覚障害を訴える人が多く、一部のケースでは遷延するようだ。
4種類のアロマを毎朝嗅ぐという方法を提唱している方もおられるが、ある程度精油についての知識を持っていないと扱いが難しいだろう。
精油は経皮吸収なので腎肝への負担が少ないと著者は述べているが、何事もすぎると毒である。皮膚が弱い人が使用される場合は慎重に。特に妊産婦の方はホルモンに関係する精油もあるのでご注意頂きたい。よく使われるラベンダーやゼラニウム精油についても危険性があると書かれていた。
日本では精油に関する民間資格があるが、薬剤に準ずるものとして分類が必要なのではないかという意見には、この論文の著者に大いに同意するところだ。
抗ウイルス作用を持つ代表的な精油にティーツリーがある。比較的安全な精油と言われている。私は主に掃除に使っているが、シャンプー時にお湯に一滴混ぜて髪を濯ぐと臭い防止になるそうだ。檜でもいいらしい。
ティーツリーの抗ウイルス作用は主に1,8シネオールによるものだそうだ。別名ユーカリプトール、言われてみればユーカリにも匂いは似ている。樹、って感じがする。
皮膚への刺激が強いのでたくさん使わない方がいい。となると、容器が大切で、以前使っていたガイアの容器は綺麗に一滴出て優秀だったが、今使っているメーカーは、品質はいいのだがドバッと出てくるのでちょっと困る。
ガイア、倒産しちゃったんだよな。愛用しているものがどんどん消えていく。世知辛い世の中だ。
最後にティーツリーを使った簡単な室内空気浄化法を。
ティッシュに一滴精油を垂らし、ガラスか陶器の皿に置いて部屋の何処かに置いておく。半日は香ると思う。プラスチック製の容器は精油で溶けることがある。このことからも、精油ってけっこう強い化学物質なんだなとわかる。基本的な知識は身につけてから使いたい。出来れば一冊、入門本でも読んで頂いてから。こんなご時世だから、使えるものは上手に利用していきたい。